コンプレッサーの中古機の買い方や選び方について知りたい方へ
工場でエアーコンプレッサーを使用していて、異音が発生したので、修理店に連絡をしたところ、オーバーホールを勧められた。年数も経過しているので、新品コンプレッサーは高価なので、程度のよい中古機を探し入替えたい。どこで買うことが出来るのか知りたい。また、選ぶ際の注意点も知りたい。と考えていませんか?
本記事では、下記の内容を解説します。(2020年3月3日更新)
私はコンプレッサーの修理屋の大西たけしです。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。
・そもそもエアーコンプレッサーには、どんな役割があるのか!?
エアーコンプレッサーとは空気圧縮機ともいい、気体を圧縮して送りだす装置の総称です。工場などには、欠かせない機械です。
・中古コンプレッサーが割安な要因とは
エアーコンプレッサーの流通は、先ずは新品として企業や工場へ売られます。そしてメンテナンスやオーバーホールをしながら使用します。市場に売却される理由は、製品を買替えに伴い既設機を売却する場合、企業の倒産に伴い、中古業者に製品が引き取られたなどが一般的に考えられます。そのため、販売する際は、もちろん新台に比べて安価です。
・新品と中古のコンプレッサーの違いとは
当然価格差が違います。そして新品には必ず1年間の保証書が付いてきます。条件によっては2年のものもあります。もちろん、保証期間中にトラブルが起きた場合は、メーカの保証の元に修理が行われます。保証対象外のトラブルに関しては実費での修理になりますが、内容については各社の保証書をみるといいでしょう。中古機に関しては、保証があるもの、長くても3ヶ月というところが一般的だと思います。保証を行うのは販売店になると思います。また、注意点としては、メーカが部品供給を保証する期間です。製造後、20年を経過する機械の場合、オイル、オイルフィルタ、エアフィルタ、オイルセパレータなどの消耗品以外は、年々供給停止になっていく傾向があります。
・どこで中古機を探せばいいのか。
先ずは馴染みの販売店などの営業の方に話をされると良いと思います。機械の中古市場で、コンプレッサーが並んでいることもありますし、最近ではヤフオクなどのネットオークションでも取引をされています。また、インターネットを通じて、全国の販売業者から購入することもできます。
・年式と稼働時間をチェック
中古コンプレサーの選び方を考える際に、よく話題に上るのが「年式」と「稼働時間」です。簡単に説明すると、年式とは「いつ新台として製造されたコンプレッサーか」ということを指します。 つまり、年式が新しいほど、コンプレッサーが使われた期間が短いということになります。
一方の稼働時間は、「コンプレッサーを今までに稼働した時間」のことです。稼働時間が長いほど、その期間にしっかりとメンテナンスを行ってきた機械であるかも、調べなければなりません。
中古コンプレッサーは、年式が新しいほど、運転時間が短いほど「新台に近い良いコンプレサー」と見なされます。 こういったコンプレッサーは、高い価格で販売されています。
年式と稼働時間はどちらも重要な要素ですが、中古コンプレッサーを探す人の多くは、年式を基準に探されているようです。
というのも、「これから使用するにあたって、将来的により長い期間使いたいという思いから、部品の供給期間も長いだろうと考える方も多く、少し稼働時間が長くても、古い機械よりも突然の停止をしないだろう」と考える人が多いからです。
そのため、稼働時間が長いコンプレッサーより、年式が新しいコンプレッサーの方が高く販売される傾向にあります。
しかし、単純に年式が新しければ良い、という訳ではありません。
やはり、稼働時間も重要です。稼働時間については、少しだけ知識があれば簡単に変更することができ、実際よりも稼働した時間を短く見せることが出来てしまうからです。
いままでにメンテナンスをキチンとされてきた機械であるかを確認しないと、思わぬ欠陥があったりします。
スクリューコンプレッサーのメンテナンスサイクルは、メーカや機種によって様々ですが、6ヶ月(3,000時間)、1年(6,000時間)、2年(12,000時間)、4年(24,000時間)、6年(36,000時間)でオーバーホールと考えて良いと思います。
2019年の最新機では、8年でオーバーホールというメーカや機種もあります。
しっかりとメンテナンスをされてきた機械なのか、販売しているお店の検査項目は信頼できるのか、確認した方が良いでしょう。
・クルマのように新古車みたいなコンプレッサーはありますか?
近年では受注生産をしているメーカがほとんどですので、新古コンプレッサーを入手することはできないと思います。ごく稀に、メーカから売り出しの機種を紹介される事もありますが、弊社の場合は、在庫を保管するスペースが取れないことから、購入したことがありません。
・今後修理を対応してくれる業者がいるかを確認
私どもが修理屋だからこそ、お伝えしたいことです。近年メーカ各社、製品の販売ルートを通じてのみ部品を卸しているところが多く、いざメンテナンスをしようと考えたときに、部品が入手できないなどの事態にもなり兼ねません。そこで、中古機エアーコンプレッサーを探される際は、メンテナンスに対応してくれる会社があるのかも合わせて確認されるといいと思います。出来れば、2社3社業者を見つけることができれば、今後の突然の故障の際に、役立つかもしれません。
・中古機レシプロ式エアーコンプレッサーを探す際の注意点
レシプロ機は、スクリュー機やスクロール機に比べて丈夫です。特に給油式の場合、油量の確認をすれば、10年間1度もメンテナンスをしなかった。などというケースも珍しくありません。その為、10年以上使用した機械であれば、何かしらトラブルが起こった場合は、修理費用のお見積書にもよりますが、新台機種へ入れ替えられる場合も多いです。
今までノーメンテナンスで稼働した機種が中古市場に出ているケースも多く、ネットオークションで見かける製品もその場合が多いように感じます。実際に月に1、2度は、オークションで買われたお客様からのご相談もあり、トラブルについての問合せ件数も年々増加している印象です。
コンプレッサー修理屋としては、レシプロ式コンプレッサーを探される場合は、ネットショッピングでも構いません。新台機種の相場を調べてみることも良いと思います。
中古機エアーコンプレッサーの購入費+整備費を考えると、新台機種と変わらない価格になることも珍しくはありません。また、必ず年式をご確認ください。
非常に丈夫な機械ですから、売却する時点で、既にメーカの部品供給を終えていたということもあります。
・エアーコンプレッサーの設置について
人の手で持ち運びができるものなら、問題ないのですが、レシプロコンプレッサーでも箱型のものやスクリュー機などは、トラックで輸送されることを考えたときに、フォークリフトや天井クレーンで吊る環境が必要だと思います。
難しい場合は、やはり設置をしてくれるだろう業者を探されてみてください。
・まとめ
中古機コンプレッサーを探す際は、とりあえず新台機の価格の相場や実際にお見積書を得た上で、探されることが良いと考えます。また、メンテナンス履歴がしっかりと分かる機械を選ぶこと重要です。これから先、機械の修理やメンテナスに対応してくれる業者が近くにいるかも調べておくことも大切にされてください。
今回のブログ記事が、中古機エアーコンプレッサーを探されている方にとってお役に立てれば幸いです。この度は、最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました。
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大西健
プロフィール
はじめまして、コンプレッサ修理屋のウェブサイトを担当しています。大西エアーサービスの大西健と申します。
まだまだ見え辛いホームページですが、お客様のお声に耳を傾けながら、1つ1つ改善して取り組んでいきたいと考えています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/
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