エアーコンプレッサーの日々のドレン抜きについて、何かよい方法がないか知りたい方へ

工場でエアーコンプレッサーを使用していて、最近エアーに水が混じっていて困っている。毎日のドレン抜きは手間だ。コンプレッサーのドレン抜きを自動でやってくれる機械はないのか知りたい。また、選ぶ際の注意点も知りたい。と考えていませんか?

本記事では、下記の内容を解説します。(2021年8月5日更新)

私はコンプレッサーの修理屋の大西たけしです。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。

・Youtube 電子トラップのご紹介

・そもそもエアーに水が混じるの!?

圧縮された空気の中には、多量の水分が含まれます。エアーコンプレッサーが空気を吸い込む際に、同時に吸い込む大気中の水蒸気が原因です。大気を圧縮機で数分の1に圧縮するため、特に梅雨から夏場の湿度の高い季節は、エアーに水が混じりやすくなります。

・ドレン発生の目安はありますか?

0.8MPaの圧縮エアーを、1m3作るのに、9m3の大気を必要とします。そのため0.8MPaの圧縮空気には大気の9倍の水蒸気が含まれていることになります。水蒸気の量は一定ではなく、湿度により飽和水蒸気量(最大値)が決まります。

・レシプロコンプレッサーのドレン抜きの目安はありますか?

1日に1度を目安にタンク下のドレン抜きバルブを開放されてください。梅雨から夏場の湿度の高い季節は、ドレンバルブの開放を1日に2、3度に増やすなどの対応をお願いいたします。また、クリーニング店などの年中湿度の高い環境の場合は、ドレン抜きを徹底されることをお勧めいたします。

・ドレン抜きを怠るとどのような不具合がありますか?

エアーコンプレッサーのドレン抜きを怠ると、圧縮空気内にドレン水が混じる以外にも不具合が発生します。例えばレシプロコンプレッサーの場合、空気タンク内にドレン水が溜まっていくと、本来、エアーの溜まるはずの容量が減ります。その場合、エアーコンプレッサーのON/OFF発停回数が増加するため、マグネットスイッチや電磁弁など電磁接触部品の消耗が早くなります。

・ドレン抜きは手間です。自動化する方法はありませんか?

電子式のドレントラップがあります。コンプレッサースイッチOFF後にドレン水とエアーを放出するものや、コンプレッサーモーターが起動するごとに可変(約1~13秒)、ドレン水とエアーを排出するものがあります。

・自動ドレンバルブと手動ドレンバルブを併用したい。

ドレン配管を見直すことが可能です。ご安心ください。

・ドレンバルブを開放しても水もエアーも出てこないです。

エアータンク内のドレン配管に錆などが起因して目詰まりを起こしている可能性が考えられます。コンプレッサーメーカそれぞれに配管の構造が異なっているため、処置が難しい場合もあります。ドリルを使用してドレン配管に詰まったゴミを除去できることもありますので、お近くの専門家に相談されてください。

・ 電子式のドレントラップ の選定の際に注意したい3つのポイント

・適用エアーコンプレッサーサイズ(0.2~37kW)
・電圧 AC100V、AC200V
・接続口径の確認

上記3点のポイントをご確認ください。

まとめ

毎日のドレン抜きは大変ですよね。ドレン抜きを怠ると、エアー内に水が混じる以外にも電磁接触部品の消耗が早くなることもお伝えしてきました。日頃のお仕事で忙しい中でエアーコンプレッサーの管理は目が届き辛いものです。そんな方にお勧めしたい商品はオートトラップです。高さも低いですので、エアーコンプレサーを持ち上げる必要もありませんので、ご安心ください。オートドレントラップを設置してもドレンを完全に除去することができません。その場合はエアードライヤーの設置をご検討いただければと思います。今回の記事が少しでも多くの方にとって有益なものになっていたらと願います。記事の内容は都度見直していく予定です。

文責:有限会社大西エアーサービス 大西健

大西健

コンプレッサ修理屋/大西エアーサービス

この記事を書いた人

大西エアーサービスのウェブサイト制作・運用担当。2007年よりコンプレッサ修理屋として働いています。以前の職種は洋服のパタンナーアシスタント。世界中の美術館を巡ることが趣味のひとつです。お客様の想いに耳を傾けながら、生産現場が止まらないように、コンプレッサー運用のお手伝いをしています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/

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