2021年7月20日更新
スクリューコンプレッサーのラジエーターの役割や油漏れなどの不具合について知りたい方へ
スクリューコンプレッサーのラジエーターの役割や油漏れなどの不具合事例について知りたい。また、修理が可能か否かについても知りたい。また、修理ができるとすればどのような症状のときに修理が可能かを知りたい。と考えていませんか?
本記事では、下記の内容を解説します。
私はコンプレッサーの修理屋です。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。
・そもそもラジエーターにはどのような役割がありますか?
圧縮機本体へ流れるオイルを冷却する役割があります。サーモスタットが作動すると、サーモスタットが開くことによって、ラジエーターへオイルが流れます。冷却空気によって油温をさげる効果があります。季節にもよりますが、凡そ10~15度程度、油温を下げます。
・日常の点検や手入れの方法を教えてください。
ラジエーターの冷却空気側にゴミが付着すると、熱交換が悪くなり、オイルの冷却不足や圧縮空気の冷却不足になります。このような場合はラジエーターの清掃が必要です。
ラジエーター付近には、ファンが回っている場合が多く、清掃を行う場合は、必ず、エアーコンプレッサーのメーンブレーカをOFFにして、回転体が動いていないことを確認したうえで、エアーブロー清掃を行ってください。安全第一での作業を行ってください。又は、コンプレッサーのパッケージ外側からエアーブローを行って、不具合の症状が改善される場合もあります。
・ラジエーターの不具合事例を知りたい。
ラジエーターの不具合は、表面の埃の目詰まりや、油漏れ、ラジエーター内部の目詰まりなどがあります。表面の埃の目詰まりの場合は、前項目のように清掃が必要になります。それ以外では、ラジエーターは、オーバーホール毎に、ジェッターなどで清掃を行いますが、経年劣化や振動によって、油漏れを起こす場合もあります。日頃からオイル漏れが発生していないかの確認をお願いします。
・オイル劣化になりました。ラジエーターの内部を清掃する方法を知りたい。
オイル劣化の原因の多くは、長期間オイルの交換を行っていない場合や、誤って他銘柄の油を混ぜてしまったことが起因します。その場合は、オイルがコールタール状に粘々になり、全て抜き取って新油を補充した場合でも圧縮機本体や配管、ラジエーターの内部の汚れによって、再びオイルがコールタール状になります。そのような症状の場合は、圧縮機本体のオーバーホールの分解整備と合わせて、配管やホース類、ラジエーターの内部へシンナーを注入し、一晩寝かせ、再度、新しいシンナーへ入替えの作業を繰り返しながら、ラジエーター内部を綺麗に洗浄する必要があります。日頃からのオイル交換を大切に行うことで、オイル劣化を防ぐことができますので、ご注意ください。
・ラジエーターから油漏れが起こりました。その場合は、修理が可能ですか?
ラジエーターの油漏れが起こった場合は、オイル漏れ箇所によって修理の有無が分かれます。ラジエーターのINやOUTの取付け個所の場合は溶接を行うことで修理は可能ですが、フィンの途中からオイル漏れを起こしている場合は、残念ながらラジエーターASSYでの交換作業が必要になります。
車などのラジエーターの場合は、特殊な液体を注入することで、液漏れを抑えることも可能ですが、オイルの場合は、弊社ではそのような特殊な液体については知りません。
ご存じの方がいらっしゃれば教えてください。
・Youtubeにて解説いたします。
今回のブログ記事が、ラジエーターの役割や油漏れなどの不具合ついて知りたかった方にとってお役に立てれば幸いです。この度は、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
文責:有限会社大西エアーサービス 大西健
大西健
この記事を書いた人
大西エアーサービスのウェブサイト制作・運用担当。2007年よりコンプレッサ修理屋として働いています。以前の職種は洋服のパタンナーアシスタント。世界中の美術館を巡ることが趣味のひとつです。お客様の想いに耳を傾けながら、生産現場が止まらないように、コンプレッサー運用のお手伝いをしています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/
コンプレッサーの修理・相談窓口
(日曜・祝祭日は休業) 深夜・早朝の場合は、メール又はFAXをください。