エアーコンプレッサーの「圧力開閉器式」と「アンローダ式」の違いについて知りたい方へ

工場でエアーコンプレッサーを使用していますが、「圧力開閉器式」と「アンローダ式」がありあます。パッとみの見た目は同じですが、何か違いはあるのか気になりました。型式をみて見分け方があるの?アンローダ式を圧力開閉式へ改造できるのか知りたい。と考えていませんか?

本記事では、下記の内容を解説します。(2021年8月12日更新)

私はコンプレッサーの修理屋の大西たけしです。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。

この質問はレシプロコンプレッサ—についての疑問になると思います。レシプロ機は空気タンクの上に圧縮機とモーターが載っているタイプのコンプレッサーです。ボコボコとピストンが往復することで、大気中の空気を吸って圧縮エアーにします。稼働時の音がとても大きいのですが、とても丈夫な機械です。

そもそも「圧力開閉器式」と「アンローダ式」って何!?

レシプロコンプレッサーには、大まかに2種類の制御タイプがあります。「圧力開閉器式」と[アンローダ式」です。

圧力開閉器式は、運転制御を圧力スイッチで行っています、圧力スイッチに記載されている設定圧力で、マグネットスイッチを、ON又はOFFにすることでモーターを自働発停させます。下限圧になるとモーターが再び回りだして空気を圧縮していきます。

アンローダー式は設定している圧力になると圧力調整弁と呼ばれるバルブから圧縮機本体のヘッドに圧力を送り、設定圧力以上に昇圧しないように吸入気側のバルブを強制的に開くタイプのコンプレッサーです。

圧力開閉器式と違い、エアーコンプレッサーは止まりません。

アンローダ式エアーコンプレッサーのメリットは何?

アンローダー式のエアーコンプレッサーは、圧力変動が少ない現場に有利です。起動再起動を頻繁に繰り返す現場には有利です。エアーコンプレッサーは起動時に定格の電流の約7倍の電力を消費しますので、その分の電力も抑えることも可能です。また、エアー圧力を概ね一定に作り続けるのでエアー圧力の変動を嫌う現場にも好評です。

最新機種でアンローダー式コンプレッサーの取り扱いはある!?

近年販売されているエアーコンプレッサーの多くは、圧力開閉器式タイプです。エアーの上限圧・下限圧でモータをONとOFF繰り返す為、省エネ面でも有利です。レシプロコンプレッサーは動作音も悩ましい問題すから、ストレスも軽減できるからです。

アンローダータイプのレシプロコンプレッサーは受注生産となっているメーカーも多くなっています。

アンローダ式を圧力開閉器式へ改造は可能ですか?

改造は可能です。圧力スイッチ、マグネットスイッチ、上限圧力に達した際に圧縮機本体ヘッドに掛かるエアー抜きの配管製作が作業に必要な主な部品です。エアーコンプレッサーの年式や作業に掛かる費用を見比べながら、改造すべきか否かを判断いただければと思います。コンプレッサ修理屋に問合せが多くある案件では、

現在アンローダー式のコンプレッサを使用していますが、圧力開閉器式に更新する場合のアドバイス

もし今後エアーコンプレッサーの入替えを検討される場合は、例えば現在3馬力のアンローダータイプをご使用中であれば、更新時はワンサイズ大きな5馬力の圧力開閉器式を検討されると良いかもしれません。

ブレーカなどの電気工事は必要になるかもしれませんが、同じ3馬力の圧力開閉器にて更新してしまうと、頻繁にONとOFFを繰り返す為に電力量も多くなりマグネットなどの電磁部品も消耗する可能性もあるからです。

まとめ

「圧力開閉器式」と[アンローダ式」エアーコンプレッサーの違いについて記載しました。エアー圧力に変動があっては困る場合以外は、省エネの面でも圧力開閉器式のエアーコンプレッサーを選ばれてみてはいかがでしょうか。改造については専門家に依頼されることをお勧めいたします。

文責:有限会社大西エアーサービス 大西健

大西健

コンプレッサ修理屋/大西エアーサービス

この記事を書いた人

大西エアーサービスのウェブサイト制作・運用担当。2007年よりコンプレッサ修理屋として働いています。以前の職種は洋服のパタンナーアシスタント。世界中の美術館を巡ることが趣味のひとつです。お客様の想いに耳を傾けながら、生産現場が止まらないように、コンプレッサー運用のお手伝いをしています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/

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