旧型東芝トスコンのエアーコンプレッサーの整備やメンテナンス、修理について知りたい方へ

旧型東芝トスコンのエアーコンプレッサーの整備やメンテナンス、修理について、本当に部品の供給は終えたのか、全く修理を行うことは不可能なのかを知りたい。また、修理ができるとすればどのような症状のときに修理が可能かを知りたい。と考えていませんか?

本記事では、下記の内容を解説します。

私はコンプレッサーの修理屋です。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。

そもそも部品の供給を終えたのはいつですか?現行品のエアーコンプレッサーは販売されていますが、部品供給を終えた機種は、どのように見分ければ良いですか?

旧型東芝トスコン

東芝製旧型トスコンの部品の供給を完全停止したのは、2020年2月末です。部品の停止の案内がメーカーから届いたのは、厳密には記憶していませんが、2015年頃だったと思います。コンプレッサー修理屋でも都度YOUTUBEや各SNSを通じて案内をしてきました。

完全停止の期日はメーカーからの計らいや、在庫の拡充などの措置によって延期されましたが、現時点ではとくに圧縮機本体に関する部品の入手はできません。弊社でも一部の在庫を保管していましたが、一部のパッキンの在庫を残すのみとなっています。(2020年10月時点)

新機種の部品の供給は、今後も問題なく行われますので、安心いただければと思いますが、旧型トスコンの部品の供給を完全停止した機種は以下の型式になります。参考にされてください。

・EP
・ELP
・KA
・KLA
・SP
・SLP
・GP

上記のアルファベットから始まる機種(2015年以前に販売されていた機種)は、2020年現時点で部品の供給はありません。

部品供給を終えたと耳にしましたが、製作対応も難しいですか?

メーカーでの部品の製作対応は行っていないようです。金属加工業を生業にされているお客様で、シリンダの削り出しなど製作できるとのお声を耳にしたこともありますが、費用面からみても現実的ではないと感じました。

オイルや油面計だけでも入手をしたいと考えています。

オイルは現行品でも同じ銘柄を使用しているため、入手は可能です。コンプレッサー修理屋のヤフーショッピングページでも取り扱いがありますし、アマゾンさんでも販売されています。残念ながら油面計の販売は終了しています。現行品との互換性もありませんので、ご注意ください。
ヤフーショッピングにてトスコンオイルを販売中:https://store.shopping.yahoo.co.jp/onishi-air/005.html

見た目は綺麗なコンプレッサーなので、圧縮機本体だけを載せ替えて使用したい。

圧縮機の取り付けボルト位置が異なるため、載せ替えは難しいです。取付け位置を調整して、改造を行うことは不可能ではありませんが、圧縮機本体の購入費用や既設機の取り付け位置加工の手間暇を考えると、新台エアーコンプレッサーを購入された方がお安く、また新品保証もありますし、何よりも安心・安全にご使用いただけると考えますので、初期費用はかかりますが、製品入替えにてご検討ください。

弁座組立を分解し再組立てして使用できますか?

弁の摩耗の原因の多くは、カーボンの付着によるものです。2000年以前は、弁座組立の弁のみを交換していた時期もありました。しかしながら、一時的には弁の動作は改善するものの、弁の動作は不安定になります。具体的には再起動時にブレーカーが落ちるなどの現象が起こります。カーボンを取り除く以外に、取付けの調整なのか、原因は定かではありませんが、弁座組立ASSYでの交換を推奨しています。しかしながら、旧型トスコンの圧縮機本体に関する部品の供給はありません。

ヤフオクメルカリ

オークションサイトで購入しました。調子が悪くて困りました。入手可能な部品や互換性のある部品は全くないのでしょうか?

具体的な故障の判断は現品を確認しなければ分かりませんが、現行機種と互換性のある部品や市販品で揃えられそうな部品は、オイル、Vベルト、圧力スイッチ、マグネットスイッチです。3方電磁弁も場合によっては市販品で購入できますが、コンプレッサー用向けの製品ではありませんので、応急的な処置になると考えます。エアフィルタの販売も行われていませんので、エアフィルタASSYで交換なら対応可能だと思いますが、お仕事でエアーコンプレッサーを使用されている場合は、早めのエアーコンプレッサー製品の入替えをご検討ください。

トスコンの部品在庫品

【旧型トスコン】弊社在庫品のご案内 (※2023年2月1日時点)

最近も部品の在庫を聞かれる機会が増えていますので、弊社在庫品一覧を記載いたします。以下7点
2021年5月20日に在庫品であった弁座組立の販売を行いました。
旧機種の圧縮機本体の修理は難しいと考えますので、入替え含めてご検討ください。

55702050 パッキン 1個
55703040 パッキン 1個
55173060 パッキン 1個
5N714050 パッキン 1個
5N7N3050 パッキン 1個
5N7N8050 パッキン 1個
5N7N8051 パッキン 1個

動画でご案内します。

まとめ

エアーコンプレッサー修理屋として、日々、コンプレッサーの修理を生業にしていますと、部品の供給が完全に停止したことを、初めて知った。知らずに中古機を購入して後悔している方など少なからずお見受けします。現時点で旧型東芝トスコンのエアーコンプレッサーをご使用されていて、問題なく稼働している場合は、引き続き、毎日のオイルの管理とドレン抜きをお願いいたします。少しでも不具合を感じるようになった、例えば、異音やブレーカー短絡などの症状が現れるようになった場合は、早期の製品入替えをご検討ください。以前に比べてコンプレッサーメーカーで過剰に在庫をすることを控えている場合もあり、納期に2~3週間のお時間を要する場合もあります。その間は、コンプレッサーの使用はできませんし、レンタル機を借りる場合の費用は運搬や設置のコストを考えると馬鹿にはなりません。この記事が少しでもお役にたてれば幸いです。

今回のブログ記事が、空気タンクを設置するメリットやタンクの充填時間について知りたかった方にとってお役に立てれば幸いです。この度は、最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました。

文責:有限会社大西エアーサービス 大西健

大西健

コンプレッサ修理屋/大西エアーサービス

この記事を書いた人

大西エアーサービスのウェブサイト制作・運用担当。2007年よりコンプレッサ修理屋として働いています。以前の職種は洋服のパタンナーアシスタント。世界中の美術館を巡ることが趣味のひとつです。お客様の想いに耳を傾けながら、生産現場が止まらないように、コンプレッサー運用のお手伝いをしています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/

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