エアータンクの充填時間やタンクを設置するメリットについて知りたい方へ

コンプレッサ修理屋

エアーコンプレッサーの吐出空気量が正常なのか、空気タンクの充填時間で判断出来るかを知りたい。また、コンプレッサーの馬力に適切な空気タンクのサイズも知りたい。と考えていませんか?

本記事では、下記の内容を解説します。(2021年7月31日更新)

私はコンプレッサーの修理屋です。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。

・【Youtube】空気タンクを設置するメリット・デメリット

・そもそもエアー空気タンクには、どんな役割があるのか!?

空気タンクは、一時的にエアーを溜めることができ、急なエアー使用の際に役立ちます。また、エアーコンプレッサーの起動・再起動の回数を減らすことが出来るため、マグネットスイッチのON・OFFの回数を減らすことができ、コンプレッサーの長寿命化も期待できます。コンプレッサーには、欠かせないアイテムです。

・空気タンクの最高圧力まで充填する時間について

簡易式になりますが、こちらの計算式をメモしておくと便利です。

充填時間(S)=(592×最高圧力(Mpa)×タンク容積(L))/吐出量(L/min)

592は定数になります。

何故、592は定数なのか、エンジニア質問箱の回答の中で、ZZZさんの記事が参考になると思いましたので引用します。

まず、ゲージ圧力を絶対圧力に変換する必要があります。

最高圧力をP(Mp) 大気圧をNP(Mp) タンク容積をV(L) 吐出量をQ(L/min) 充填時間をT(min)とします。

最高圧力のゲージ圧力を GPとすると GP=P+NP

最高圧力のタンクの空気量を V1 とすると V1=GP×L

大気圧のタンクの空気量を V2 とすると V2=NP×L

充填する空気量を V3 とすると V3=V1-V2

ボイルの法則により 絶対圧力×体積=一定 ですから

T=V3/(NP×Q)=(V1-V2)/(NP×Q)=((P+NP)×L-NP×L)/(NP×Q)=P×L/(NP×Q)

大気圧は0.1013Mpですから T=P×L/(0.1013×Q)

充填時間を秒になおすと Ts=60×P×L/(0.1013×Q)

60/0.1013=592.3

ZZZさん(エンジニア質問箱)

絶対圧とゲージ圧の関係式 : 「ゲージ圧」=「絶対圧」-「大気圧」
工場の現場担当者がよく利用する圧力はゲージ圧です。工場で実際に使用する空圧機器の必要圧力を基準に考えられる場合も多いと感じます。空気タンクの圧力が圧縮され始めると、圧力計の数値が上昇し始めます。

・どこで中古エアータンクを探せばいいのか。

先ずは馴染みの販売店などの営業の方に話をされると良いと思います。機械の中古市場で、エアータンクが並んでいることもありますし、最近ではヤフオクなどのネットオークションでも取引をされています。また、インターネットを通じて、全国の販売業者から購入することもできます。

・耐圧証明書の有無を確認

(a)第二種圧力容器は厚生労働大臣が定める規格または安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、または設置してはならない。

(b)第二種圧力容器明細書は紛失しないように大切に保管しなければならない。第二種圧力容器明細書の再発行は、原則的には出来ないが、個別検定実施後1年以内のもので明確な理由がある場合は再発行が可能。それ以外のものは、新たに個別検定を受けなければならない。

参考文献:ボイラー及び圧力容器安全規則について(昭和47年労働省令 第33号):https://www.hitachi-ies.co.jp/products/cmp/houki/houki02.html

耐圧証明書の再取得も可能ですが、空気タンクの設計図を準備する必要もあり、メーカが提供してくれる可能性は、難しいようにも感じます。 ですので、中古で入手を考えられている方は、必ず耐圧証明書があるのか確認されることお勧めします。

・新品と中古のエアータンクの違いは?

空気タンクは毎年0.01mm程腐食していくと聞いたことがあります。自主検査をされていた機器は破損の心配もありませんが、設置後そのまま使用されていたケースも少なくありません。
新品を選ぶメリットもありますし、もちろん中古の空気タンクは値段も定価よりも安いと思いますので、どちらも選ぶときの優先順位や考え方だと思います。

・空気タンクを設置するメリットは

一時的にエアーを溜めることができ、急なエアー使用の際に役立ちます。再起動の回数を減らすこともできますので、エアーコンプレッサーの長寿命化にも繋がります。

初期投資の費用や設置スペースが必要になることがデメリットという位ですが、例えば、空気タンクは10年も経過すると初期導入の費用も十分に回収できますし、24時間稼働している工場では4年でイニシャルコストをペイ出来たという話もよく耳にします。

・コンプレッサ修理屋の経験的に選定する場合

コンプレッサ出力空気タンク容量
2.2~3.7kW30~100L
5.5~7.5kW100~200L
11~15kW200~400L
22kW400~600L
37kW600~1000L
55kW1000~1500L
75kW1500~3000L
コンプレッサ選定方法
エアーコンプレッサーの選定方法や購入についての疑問やお悩み

・まとめ

空気タンクを設置することで、コンプレッサーの吐出空気量が適正なのか判断をするのも役立ち、コンプレッサーのON・OFFの回数を減らせる為、省エネルギー効果もあります。また、一時的にエアーを使用する場合にも有効です。場所さえ許せば、必ず設置されるべきアイテムです。

今回のブログ記事が、空気タンクを設置するメリットやタンクの充填時間について知りたかった方にとってお役に立てれば幸いです。この度は、最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました。

文責:有限会社大西エアーサービス 大西健

大西健

コンプレッサ修理屋/大西エアーサービス

この記事を書いた人

大西エアーサービスのウェブサイト制作・運用担当。2007年よりコンプレッサ修理屋として働いています。以前の職種は洋服のパタンナーアシスタント。世界中の美術館を巡ることが趣味のひとつです。お客様の想いに耳を傾けながら、生産現場が止まらないように、コンプレッサー運用のお手伝いをしています。“迅速”かつ“丁寧”がモットーです。
コンプレッサ修理屋「大西健」の挨拶文はこちら→https://www.onishi-air.jp/office/

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